
For the record;
存在を、記録し始めることにした。
流れゆく瞬間に全霊を投じる僕にとって、歴史とはこの瞬間に至るまでの全てだと感じる。全ての在るモノ、有ったコト、去りゆく刹那の一刻一刻が歴史というドラマそのもので、その舞台に極僅かの間、演者として立てる奇跡が生命というチャプター。
平成のいつ頃だったか流行ってた、アカシックレコードみたいなものだ。あれ自体はオカルティックなトンデモ解釈に過ぎないけど、その語源である ākāśa はインド哲学において重要な概念であるし、アジアの思想宗教に何千年と影響を与えてきた。
軌跡は残すものではなく、そこに僕達がいた結果として残るだけ。残らないものだって、そこには残らなかったという事実がしっかりと刻まれていて、そのチャプターは目立たないかもしれないけど、他のチャプターと複雑に絡まってる。脈絡と生き続けるコンテキストがここには存在している。
僕達は皆演者で、この舞台の進行が歴史そのものなのだから、僕自身は(見える形で)歴史に残ること自体には特に意味を感じていない(カメラマンとか、ジャーナリストとか、記録役の演者はそれはそれで必要なんだけど)。刹那に身を投じることは僕の感受性を高め、却って歴史ときちんと向き合わせてくれる。僕の思考は、だからこそランダムで、生々しくて、雑多で、美しい。それでもこうして誰が読むかも分からぬ思考の記録を始めたのは、埋もれた過去が発見される時、今がより色づくように、単純に、この景色を伝える為には、やはり何かしらの足跡を残しておく必要があると感じただけなのだ。